英語を何度聞いても聞き取れないとき、先にスクリプトを見るべき理由

英語を聞き取れなかったとき、同じ部分を何度も再生する。それでも聞こえ方が変わらず、単語の境目さえ分からないことがあります。

こんなときは、耳だけで粘り続けるより、先にスクリプトを見たほうが練習を進めやすくなります。文字に頼るのは、リスニングから逃げることではありません。聞こえた音と、知っている単語を結びつけるための準備です。

知っている単語なのに聞こえない

英語のリスニングでつまずくと、単語力や文法が足りないと考えがちです。もちろん、知らない単語は聞き取れません。ただ、スクリプトを読めばすぐ意味が分かるのに、音声では分からない文もあります。

英語は、単語を一つずつ区切って発音するとは限りません。前後の音がつながったり、弱くなったりします。文字で知っている単語と、実際に流れてくる音の形が一致していなければ、再生回数を増やしても同じ音にしか聞こえません。

私も以前は、聞き取れた単語だけを拾って、文脈から内容を推測している感覚がありました。スクリプトを確認すると、知っている単語が思っていたのとは違う音で発音されていたり、単語同士がひと続きに聞こえていたりします。

スクリプトは答えではなく、音の地図

スクリプトを見ると、聞こえなかった理由を次のように切り分けられます。

聞き取れない原因スクリプトで確認すること
知識知らない単語や文法がなかったか
音の認識音のつながりや弱い発音を捉えられたか
英文の保持文の前半を覚えたまま意味をつなげられたか

原因が分からないまま聞き直すより、英文と意味を一度確認し、「この文字が、この音になる」と分かった状態で聞き直すほうが、耳をどこへ向ければよいかが明確になります。

大切なのは、スクリプトを見たところで練習を終えないことです。文字と音を結びつけたあと、少しずつ文字を手放していきます。

聞き取れない一文を練習する5段階

  1. 1
    スクリプトと意味を確認する

    知らない単語と文法を調べ、英文を読んで内容が分かる状態にします。

  2. 2
    文字を追いながら音声を聞く

    単語の境目や、弱く発音される部分を確かめます。聞こえた音を、スクリプト上の単語と対応させます。

  3. 3
    自分のペースで音読する

    最初はゆっくりで構いません。詰まらずに読めるまで、英文の語順と音を口になじませます。

  4. 4
    音声を聞いたあと、文字を見ながら繰り返す

    話者の速さやリズムに近づけます。一度で言えない場合は、一文を短く区切ります。

  5. 5
    スクリプトを隠して繰り返す

    最後に耳だけで聞き、音声が止まってから同じ英文を言います。難しければ、またスクリプトを見る段階へ戻ります。

見ながらの練習と、見ない練習では負荷が大きく違います。段階を飛ばして最初から文字を隠すと、聞き取れない理由が分からないまま、同じ失敗を繰り返しやすくなります。

練習とテストを分けて考える

今の実力を確かめるテストなら、最初はスクリプトを見ません。しかし、聞き取れる範囲を増やす練習なら、文字を見て構いません。

TEST

実力を確かめる

スクリプトを見ず、今どこまで聞き取れるかを確認します。

PRACTICE

聞き取れる範囲を増やす

文字で音を確認し、最後にスクリプトを隠して聞き直します。

聞き取れなかった箇所を確認し、声に出し、もう一度耳だけで聞く。この往復を重ねることで、知識として知っていた英文が、実際の速さでも扱える英文へ変わっていきます。

何度聞いても同じ場所で止まるなら、それは再生回数を増やす合図ではなく、いったんスクリプトへ戻る合図です。

一文ずつ試してみる

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リピーティングとシャドーイングの違いや、練習の進め方は「リピーティングとは?シャドーイングとの違いと英語リスニングの練習方法」でも詳しく説明しています。